○エッグテンペラ


歴史的には卵白や卵黄をバインダーとしたという記述が11世紀頃の文書として残っているようですが、作品として現在見られるものは、卵黄をバインダーとした「卵黄テンペラ」が中心です。

板の上に石膏下地を施し、卵黄のバインダーで顔料が混ぜられ、絵具として塗られました。宗教的荘厳のため、金箔を背景に使った作品も多く「黄金背景テンペラ」とも称されています。
バインダーの処方を再現した1例は次の通りです。



  卵黄  1個分 (通常サイズでは20ml) 
  食酢  小さじ1杯 (約 5ml)
  水    小さじ3杯 (約15ml)




■卵黄テンペラの特質
・水に溶けて、乾くと水に侵されない。
・速乾性である。
・技法上の制約を受ける。ぼかしはハッチングでおこなう。
・絵具の被覆力が弱い。鮮明で深い。下層の影響大。重色効果
・厚塗りができない。厚いと亀裂する。
・構図の変更ができない。計画的描画が必要。
・変色しない。5〜600年以上経っても美しいまま。


■卵黄メディウムの作り方
@黄みを取り出す。
1.卵を二つに割り白身とカラザをビーカー中へ取り除いて黄身だけをつまみ出します。
Aぬめりを取る。
2.黄身を手のひらでころがし、ぬめりを除きます。
B内容物をとる。
3.黄身の皮膜を摘み上げ、メディウム容器の上で黄身の底に穴をあけて、内容物を取り出します。
Cかき回す。
 
D酢と水を加える。
5.スプーンで静かにかき回します。 フタ付き容器に入れ冷蔵すれば1か月は保存が可能です。

卵黄      1個分
食酢      スプーン 1杯分
水        スプーン 3杯分
Eかき回す。
5.スプーンで静かにかき回します。 フタ付き容器に入れ冷蔵すれば1か月は保存が可能です。
F瓶に入れて保存する。
 


■絵具の作り方
よく混ぜ合わせた上記のバインダーに水で練り合わせた顔料を1:1程度に混ぜ合わせると卵黄テンペラの絵具ができます。顔料によりバインダーの量は多少異なります。
石膏地に塗られた卵黄テンペラ絵具は、明るく不透明な発色をします。絵具にはあまり伸びがなく、彩色は通常ハッチングとよばれる線描の積み重ねで表現されます。絵具の伸びの欠如は、表現自体を生硬にする傾向があります。

1.溶き皿に顔料を必要量とり、水を滴下し馴染ませます。指で練るように混ぜ合せます。

2.次に、卵メジウムを適量(普通は水練りした顔料と等量)加え指でしっかりと練りあわせます。

3.描く時に、水を加えて絵具の濃度を調節します。




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