○天然鉱物顔料鉱物




ラピスラズリ
(天然ウルトラマリン)
Lapis Lazuli は、瑠璃とも呼ばれる貴石から作られます。現在の産地は、中世ヨーロッパで顔料に使われたものと同じアフガニスタン東北部のバダクシャン地方のものです。
不純物として含まれる黄鉄鉱と方解石をできるだけ除去し、青い天藍石のみを使うと優秀な青色顔料が得られる。
12,13世紀に発達し、ファンアイクの作品中にも確認されている。

原石価格:3万円〜10万円/kg(品質により異なる)

 

アズライト
(岩群青)
Azuriteは、岩群青として日本画顔料にも製品がある。
原石の藍銅鉱は、塩基性炭酸銅を主成分とする青色鉱物で、世界各地に産地がある。現在はアメリカのアリゾナ鉱山から産したものが多く日本にはいっている。
テンペラや水性バインダーでは美しい青を示すが、油絵の具では冴えを失ってしまいます。
15〜17世紀には、ヨーロッパで最も重要な青色顔料で、ラピスラズリより多くの作例で確認されています。
ラピスラズリより簡単に顔料化できることが多く使われた理由かもしれません

原石価格:5千円〜1万円/kg

 

マラカイト
Malachiteは、含水塩基性炭酸銅を主成分とした緑色の鉱物で、アズライトと同じ鉱床に産します。場合によっては二つの鉱物が同時に存在する「アズロマラカイト」とよばれる鉱物も産します。
比較的簡単に粉砕でき、顔料化されます。
古くから用いられ、エジプトの王朝時代には、化粧用のアイラインとして使われていたようです。
東洋でも「岩緑青」として敦煌以来、緑の中心的存在であり、今も日本画の岩絵具に残っています。

原石価格:5千円〜1万円/kg

 

アズロマラカイト
Azuromalachiteは、アズライトとマラカイトの複合晶で、鉱物的には美しく、珍しくもあるが、両者を分ける手間を考えると顔料の素材としては価値が低い。
話のネタに紹介だけします。
 

オーピメント
リアルガー
Orpimentは雄黄とも呼ばれ、硫化砒素を主成分とする黄色鉱物で、古くから顔料として利用されていました。中世ヨーロッパの手写本などには、変わらぬ輝きをもった黄色が残っています。

Realgerは鶏冠石とも呼ばれ、結晶系を異にした硫化砒素でオレンジ色をしています。写真は、両方の色を持った鉱物です。オーピメントほど重要な色では無いようで使用例は限られます。
いずれも毒性が強く、現在ではまったく有用性を失ったが、今でも中国に大鉱床があり、日本画顔料の一部に存在しています。

 

辰砂
古代から用いられてきた赤色顔料の原石で、Cinnaberと呼ばれます。スペイン産の物が古く、紀元前のローマでも使われた記録があります。
また、硫化水銀という水銀と硫黄を化合して作られるものであることから、古くより合成法が知られ、合成顔料の最初のもののひとつでもあります。チェンニーニが記録したルネッサンス直前のイタリアのでは、既に合成品が主流であったようです。
中国でも古く合成され「朱」として使われており、顔料としての辰砂は、日本画の岩絵具としてわずかに生き残っています。

原石価格:1万円〜10万円/kg

 

トルコ石
トルコ石も澄んだ空色を供給する鉱物であるが、やや硬度が高く粉砕するのに難がある。
古代エジプトで使用されていたが、アズライト、ラピスラズリにくらべ、絵画での使用はあまり知られていない。
 

菱マンガン鉱
 


戻る


このページの無断転用は固くお断り致します。