/フレスコ画の種類
○フレスコの描画と技法


筆の選択
筆は、柔らかい動物の毛の筆が適する。絵具の含みが顔料離れのよいものが使いやすい。
高価ではあるがセーブル筆などがよい。日本製のセーブルは、毛に油脂分が少なく、ヨーロッパ製のものが使いやすい。フレスコでは、やすりのような画面に描いていくため、筆の消耗が大きいといえます。
ラウニー製コリンスキー筆「シリーズ34」などがコスト面でも使い勝手でも向いているといえます。
パレット
壁面と同系統の色をした耐水性のものが良い。プラスチック製やペーパーパレットのもので十分に使えます。
また、顔料を水練りして置いておくためには、平らなものよりも梅皿のようなものがむいているかもしれません。
 
顔料
フレスコ画は、漆喰やセメントなどのアルカリ性の強い支持体に直接描かれます。したがって、耐アルカリ性の強い顔料のみが使用できます。
 

■フレスコの描画
描くタイミングの見極め
イントナコの水分の蒸発が進み、画面を指で触って水分が出てこなくなった頃から描き始めます。イントナコを塗って、約1時間程度でこの状態になるでしょう。しかし、下地の状態、漆喰の練り方により、経験的にこのタイミングを掴む必要があります。
下絵のトレース
原寸大の下絵を用意し、スレートペンシルで輪郭線をなぞり、浅い溝として壁面に写し取るか、下絵の輪郭線に添って穴を開け、上から顔料を擦り込んで輪郭線を写し取るような方法をとります。

顔料の調整
顔料を梅皿などに取り、きれいな水を加えてよく練り合わせます。
絵具の濃度は水だけで薄めて調節します。
彩色の手順
フレスコの技法といっても他の絵具の技法とさほど変わりません。
フレスコの特長を生かすには、透明水彩のような塗り方で薄くたっぷりと彩色し、後にフォルムや輪郭を鋭く描いていくとうまくいきます。
明るい色には「ビヤンコ・サン・ジョバンニ(より白い白亜)」を少し加えて強調することもできます。
絵具は、濡れている状態よりも乾いた状態の方で明度が極めて高くなり、描画中と乾燥後の違いを意識しながら描き進めなくてはならない。
顔料は、水で薄く薄く溶きながら色を重ねるようにします。
アクセントは、やや濃いめに溶いた絵具で輪郭線を入れたり、ハッチングによって影を入れます。

1日の描画作業の目安
漆喰の硬化によって約1日の描画しかできません。大画面を描く場合は、
今日描く部分だけにイントナコを施し、その他の部分には手をつけないようにしておきます。1日分の仕事の範囲を「ジョルナータ」といいます。一般に、細かい描画で1日当たり30cm四方、単純な描き方で1m 四方が限界でしょう。
終了
描き終えた壁は、硬化が完了するまで数日の間養生しておきます。
古い作品では、蜜蝋などを塗って保護しているものもありますが、通常はそのままの状態で表面に炭酸カルシウムが結晶化し堅牢な膜を形成します。


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